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【2019年9月3日放送】[亀田メディカルセンター]とことん患者目線で常に進化!人気病院”亀田”の革新経営の全貌

どうもこのところ、いろいろ考察した結果として、「生き残る」というテーマに行き着くことが多いように思います。今回は亀田メディカルセンターという病院ですが、やはりポイントは「生き残り」なのです。千葉県鴨川市を中心に9つの病院やクリニックを運営している医療界では知らない人のいないイノベーティブな病院。実はもともと300年続く医者の家系なんだそうです。それだけ長く続いているなら、いまさら生き残りとか関係ないんじゃないかと思うのですが、それでも「生き残り」。なぜか? そこを見ていきたいと思います。

■300年、11代。しかしチャレンジは必須

300年続く医者の家系。現在の理事長亀田隆明さんで11代目。にもかかわらず、亀田さんは言います。「新しいことにチャレンジすることは我々にとっては必須。そうしなければ存在意義がなくなる。ふつうのことをしていても生き残れない。新しいことをすると失敗するが、失敗と思っていない」。この感性はどこからくるのか? 番組の中では語られていませんが、私が推測するに、300年、11代の年月の中ではいろいろなことがあったと思うのです。いい時ばかりではなく、危機的な状況になったことも少なからずあったんじゃないでしょうか。「300年」は、安泰を意味しているのではなく、無数の危機の歴史を意味しているではないか。そして、それが家系のDNAとして脈々と受け継がれているのではないか。

創業して間の浅い企業なら、「生き残り」ということの意味もまだリアルに感じ取れないかもしれません。しかし、300年続いているからこそ、「実はいつつぶれてもおかしくない」というリアリティが深く染み込んでいるのではないか。そしてこのリアリティこそが、亀田メディカルセンターの根源的なエネルギーになっているのではないか。そう感じられるのです。

■「生き残り」こそがイノベーションのエネルギー

その証拠に、このエネルギーは尋常ではないイノベーションにつながっていきます。「いい医療をして患者や地域に喜んでもらう。それにより競争力が強くなる。そうした病院はなくしたくないと思うでしょうから」。こうしてたとえば、千葉県にある本院に対して、東京駅近くの京橋に亀田京橋クリニックを開設しています。確かに千葉鴨川の本院は設備も充実して手術などには最適です。ですが、そのあと通院するには大変。そこでアクセスのいい東京駅近くにクリニックを作った。ここだと全国どこからでも来られます。多くの人に診療と術後のフォローを提供し、手術などは千葉の本院で行う。さまざまな患者に医療機械を提供できるわけです。

また、生活の質を最大限に高める医療にも心を砕いています。膝の軟骨手術も、痛みが取れればいいというのではなく、スポーツ選手なら元のスポーツができるようになるまでを考える。乳がんも条件がそろえば凍結療法でできるだけ乳房切除を避ける。また、人間ドックの充実も取り組んでいる。これは早期発見が重要だからです。そもそも亀田メディカルセンターは1985年と日本でも早い時期に救急救命センターになっています。この救命救急センターには近隣の人も来るのですが、カルテが別のところにあり取りに行き探すのにあまりに時間がかかるので、法制化される前1995年に独自に電子カルテを作っています。これにより赤字になったんだそうです。

さらに、ふつう診療科は縦割りになっていて互いの領分を侵すことはないのですが、亀田メディカルセンターでは違う診療科が合同で患者を診るのだそうです。たとえば、放射線科で手術の必要がありと判断しても、病理医が不要と判断したら、手術をしなくて済むという形です。さらにそれをテレビ会議を使って地方の25の病院ともやっている。地方の病院では亀田メディカルセンターの国内トップレベルの医師と合同で診察することで治療の精度を上げられるわけです。

地域に対しても密な対応がなされています。亀田メディカルセンターは認定こども園を運営しているのですが、ここは24時間365日対応、3人の看護師が常駐で病気でも預かってもらえる。まずは亀田の医師や看護師のためのものなのですが、地域の人たちも利用できるようになっています。また地域と医療者をつなぐイベントなども開催し、地域との結びつきを強めようとしているのです。

【結論】「生き残る」=ひたすら、患者と地域のために

生き残るとは、何をすることなのか? 亀田メディカルセンターを見ているとその答えが見えてきます。患者(顧客)と地域のためになることをひたすら追求することなのです。なぜなら、病院(企業)は患者(顧客)や地域によって生かされているからです。戦略をどうするかとか、財務体質をどうするかとか、人材をどうするかとか、確かにいろいろあるでしょう。しかし、そのすべてが向かう先はきわめて単純。ひたすら患者(顧客)と地域のためになることを考え、試みて失敗してはまた考え、そしてチャレンジしてはまた考え、徹底的に考え、そして行動すること。それしかないわけです。「生き残る」、これほど根源的で切実な課題はありません。この切実さこそが、ひたすら患者(顧客)と地域のために粉骨砕身さしめるエネルギーなのだと思います。

 

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